Huaweiは3月27日(現地時間)、フランス・パリで新製品発表会を開催。スマートフォンの最新フラグシップ「HUAWEI P20シリーズ」とポルシェデザインの新モデル「HUAWEI Mate RS」を発表した。
1900年のパリ万博に合わせて建てられたという「グラン・パレ」で開催AIによる撮影画質の向上をアピールHUAWEI Pシリーズはデザインとカメラ性能に注力したシリーズで、上位モデルはライカと共同開発したダブルレンズを採用し、ライカが認める画質を実現していることがセールスポイントだ。今回発表された「HUAWEI P20」と「HUAWEI P20 Pro」もライカレンズを搭載。しかも、画像センサーを大型化し、低光量での撮影画質が向上。さらに、HUAWEI P20 Proは初めてトリプルレンズを搭載するなど、大幅な性能強化が図られている。
発表会でプレゼンテーションを行ったCEOのリチャード・ユー氏は、そのほとんどの時間をカメラの説明に費やした。自身が撮影した作例を披露したり、iPhone XやGalaxy S9+との比較資料を掲示したりして、HUAWEI P20シリーズのカメラの優位性をアピールしていた。
プレゼンテーションを行ったコンシューマー ビジネス グループのCEO、リチャード・ユー氏「HUAWEI P20 Pro」と「Galaxy S9+」の夜景作例の比較。P20 Proなら、もはや肉眼では見えない物や色まで捉えられると主張リチャード・ユー氏が自ら撮影した写真も公開し、誰でもキレイに撮れることをアピール国際的に信頼性が高いカメラ性能評価サイトで、高スコアをマークしたことも発表発表会の直後に、取材陣にはHUAWEI P20 Proのサンプル機が配られた。わずかな時間ではあるが、パリの街でいち早く使うことができたので、そのときに撮った作例も交えて、新モデルの特徴を紹介していきたい。
「HUAWEI P20 Pro」で夜景を撮ってみた!
上位モデルのHUAWEI P20 Proは、6.1型(1080×2440ピクセル)の有機ELディスプレイを搭載。プロセッサにはAI専用のNPU(Neural-Network Processing Unit)を内蔵するKirin 970(2.36GHz×4 + 1.8GHz×4)を採用し、メインメモリは6GBという構成だ。
左右のベゼルが細いため、画面サイズのわりにはスリムな印象背面パネルには光沢が強いガラスを使用し、リッチな手触りディスプレイの上部は、インカメラの部分を避けるように切り欠き(ノッチ)が設けられている。一見、iPhone Xに似ているように思ったが、並べて比べてみると、P20 ProのノッチはiPhone Xよりかなり狭い。また、ノッチの左右を黒く表示して、ノッチが目立たない画面表示に切り替えることもできる。
ノッチはiPhone X(右)よりかなり小さいノッチが目立たない表示にも切り替え可能P20 Pro最大の特徴は背面のトリプルレンズカメラだ。本体を横向きにした状態の右からF2.4レンズで800万画素の3倍望遠カメラ、F1.8レンズで4000万画素RGBセンサーのメインカメラ、そしてF1.6レンズで2000万画素モノクロセンサーのカメラという構成になっている。
カメラ部の役割望遠と標準のダブルレンズはやや出っ張っているスマホのカメラとしては最大級の1/1.7型の画像センサーを搭載し、デジタル一眼レフ並みの「102400」というISO感度を実現している。望遠カメラの追加により、ワンタッチで3倍ズームに切り替えられ、さらに5倍でも画質が劣化しない「ハイブリッドズーム」にも対応している。デジタルズームは最大10倍をカバーする。
標準で撮影3倍ズームで撮影5倍ハイブリッドズームで撮影AIを用いた機能が導入されていることもHUAWEI P20シリーズの大きな特徴だ。カメラを向けるだけで、被写体や撮影状況を判別して最適な設定が行われるのだが、その自動判別は19カテゴリー、500以上の撮影シーンに及ぶという。
背景をぼかせる「ポートレート」モードで撮影。撮影後にボケを調整できる「アパーチャ」モードも継承されているレストランで料理を撮影曇り空の夕刻に撮影。肉眼で見るよりも明るく撮れたさらに、AIを利用する手ブレ補正機能「AIイメージスタビライゼーション」も初搭載され、手持ちで夜景を鮮明に撮れる「夜間」モードも追加されている。
夜のオペラ座を撮影。細部まで鮮明に撮れた「夜間」モードで撮影。4秒間の撮影後に、ブレのない明るい画像が合成される仕組み「夜間」モードで撮影。動く人だけをぼかすプロっぽい写真も撮れる「モノクロ」でも撮ってみた他のモデルと比べて、手ブレ補正の精度の高さを実感できるデモンストレーションも行われていた他に新機能として、動く被写体の動きを予測してピントを合わせる「4D予測フォーカス」、最大960fpsで撮影する「スーパースローモーション」にも対応。これらは競合他社の製品も搭載しており、それらに追随した形だ。
カメラアプリの撮影画面。従来モデルでは上部に表示された「ワイドアパーチャ」アイコンはなくなり、撮影モードから「アパーチャ」を選択する仕組みに変わっている撮影モードの「その他」→「スロー」で、「スーパースローモーション」を選択できる(写真=左)。撮影画面の右の歯車のアイコンをタップすると「設定」画面が表示。カメラアプリのUI(ユーザーインタフェース)はかなり変更されている(写真=右)「HUAWEI P20」のカメラはどう?1|2|3次のページへ