ファーウェイ・ジャパンは16日、完全ワイヤレスイヤホン「HUAWEI FreeBuds」シリーズを紹介するメディア向けイベントを開催しました。
イベントには、ゲストとしてオーディオ&ビジュアルライターの野村ケンジ氏が登壇。「完全ワイヤレスイヤホンの最新トレンドとHUAWEI FreeBudsシリーズのアドバンテージ」というテーマで講演が行なわれました。
オーディオ&ビジュアルライターの野村ケンジ氏。年間300以上のヘッドホンやイヤホンを10年以上にわたって試聴。TBSテレビ開運音楽堂「ノムケンLab!」コーナーにレビュラー出演するほか、さまざまなメディアで活躍中
オーディオライターの野村ケンジ氏が完全ワイヤレスイヤホンの最新トレンドを解説
野村氏によると、日本のワイヤレスイヤホン市場は、長く「Apple vs ソニー」の状況が続いているとのことで「2021年もアップルのAirPods Proが売れ続けて、ソニーの新製品・WF-1000XM4もヒットする」と予測。これら2強にBose、ゼンハイザー、JVC、オーディオテクニカなどの国内外のオーディオメーカーが続きます。
まず、完全ワイヤレスイヤホンの市場動向について説明された
また、ワイヤレスイヤホンは、スマホと連携する「ヒアラブルデバイス」としての機能もあるため、オーディオメーカー以外も市場に参入しています。Jabra、GLIDiC、BoCoといったメーカーが高性能な製品をリリースして注目を集めるほか、スマホメーカーも続々と製品を発売。スマホと組み合わせて使用した際の使い勝手も重要視されていると言います。
オーディオメーカー以外の製品も注目されている
スマホメーカーの参入も相次いでいる
さらに最近の市場動向として、低価格モデルが増えて、完全ワイヤレスイヤホンの価格レンジが広がったことも挙げていました。AVIOT、agなどの日本発の新しいブランドが、高機能で良音質のイヤホンを手頃な価格を発売。2年前くらいまでは「まぁ無理だね」といった品質のものが多かった中国メーカーの製品も音質が強化され、圧倒的なコスパの高さで注目度を高めていると解説。
日本初の新ブランドや、ハイコスパの中国ブランドにも要注目
なお低価格化によって、高価格帯の製品の売れ行きに影響を与えているかと言えばそうではなく、むしろ全体のユーザー層は拡大する傾向にあるそう。低価格帯のワイヤレスイヤホンを求めるユーザーは、 従来はスマホの付属品や低価格の有線イヤホンを使っていた層であり、高性能な製品を求めるユーザーと、コスパを重視するユーザーの二極化が進んでいると言います。
野村氏による完全ワイヤレスイヤホンの最新トレンドのまとめ
年間300以上の製品を試聴しているという野村氏は、ファーウェイ・ジャパンが5月15日に発売したHUAWEI FreeBuds 4iの性能について、「1万円を切る価格(9680円)ながら、ノイズキャンセリングと外音取り込み機能を搭載するなど、最新の人気トレンドをしっかり抑えている」と高く評価。また、野村氏いわく「マイク性能がいいイヤホンはほとんどにない」そうですが、FreeBuds 4iのマイクは、位置の異なるデュアルマイクによって高品位の音声を実現し、「テレワークにも適している」と評価していました。
HUAWEI FreeBuds 4iは3色展開
カナル型で装着感も良い
野村氏が解説するHUAWEI FreeBuds 4iのアドバンテージ
本体のみで約10時間再生できるスタミナも魅力
上位モデルのHUAWEI FreeBuds Proは3色展開で、2万5080円
ハイブリッドのアクティブノイズキャリセリングを搭載している
野村氏によるHUAWEI FreeBuds Proの評価
東京の音響技術研究室で開発された技術がグローバルモデルに採用
続いて、ファーウェイの東京研究所音響技術研究室の室長・角田直隆氏から、HUAWEI FreeBuds 4iに搭載されているテクノロジーについて解説されました
ファーウェイの東京研究所音響技術研究室の室長・角田直隆氏。日本の大手音響機器メーカーで主にヘッドホン、イヤホン関係の商品設計ならびに先行技術の開発に携わった後、2018年にファーウェイ・ジャパンに入社。以降同社の東京研究所において、近い将来にファーウェイから発売されるオーディオ商品に向けた技術開発を統括している
ファーウェイの東京研究所は、2014年に日本研究所として設立され、2020年に東京研究所として改組。その際に音響技術研究室が発足したとのこと。中国とヨーロッパのある研究所と共に主に2~5年先に応用される技術の研究・開発をしているそうです。
東京・品川にある東京研究所音響技術研究室の内部
角田氏によると、本社からの依頼に応じて研究するのではなく、世界に複数ある研究室がそれぞれ新しい技術を研究・開発し、さらに外部からの参加も含めて、コンペティションが開催されるそうです。角田氏いわく「自分たちの技術のヒット率は高く、提案したものの2/3ほど採用されている」とのこと。
HUAWEI FreeBuds 4iは、主に「時間差ビームフォーミング」と「AI雑音低減技術」によってノイズを低減し、クリアな通話音質を実現しています。
クリアな通話音質を実現する仕組み。AIによって人の声を分析し、その他の雑音が低減されるという
低価格ながらアクティブノイズキャンセリング機能を搭載。イヤホンの外側に搭載された2つのマイクが環境騒音を収音し、それが分析されて、ドライバーユニットから最適なキャンセル音を再生して、ノイズが除去される仕組みになっています。
アクティブのノイズキャンセリングには、外部のマイクでノイズを拾う「フィードフォワード方式」と、ヘッドホン内部のマイクでノイズを相殺する「フィードバック方式」があるが、HUAWEI FreeBuds 4iは低価格モデルということもあり、フィードフォワード方式のみを採用
ドライバーユニットは10mmですが、装着感と音質を両立させるために「許される範囲で最も大きいサイズ」とのこと。ハウジングの形状は、のべ数千回もの装着テストを経て決定されるそうですが、1回のテストに2時間くらいかけることもあり、非常に長い期間を要するそうです。
手頃に買えるモデルながら、10mmのダイナミックドライバーを搭載
会場にはスマートオーディオグラスも展示
イベント会場では、発売中のイヤホンが展示され、自由に装着感を試すことができました。また、ファーウェイ・ジャパンが6月11日からクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」にて先行発売しているスマートオーディオグラス「HUAWEI×GENTLE MONSTER Eyewear II」も展示されていました。
UV400カットのサングラスタイプの「SMART LANG」
度なしメガネタイプの「SMART KUBO」
テンプル(つる)にスピーカーとマイクが搭載されていますが、眼鏡として違和感はなく、アウトドアやテレワークなど、さまざまなシーンで使えそうな印象でした。
スピーカーとマイクなどはテンプルに隠されていて、パッと見は一般的なメガネと同じように見える
興味のある人は、プロジェクトページ(https://greenfunding.jp/lab/projects/4924)をチェックしてみてくださいね。東京・二子玉川の蔦屋家電+には実機も展示されているそうです。