Huaweiの最新フラッグシップモデル「Mate 20 Pro」。ハンズオンで「テクノロジーぎっしり」端末と評されていましたが、じっくり使用したレビューしてもその評価は変わらず。Mate 20 Pro=これぞ最新技術です! 米Gizmodoから届いたレビューをどうぞ。
Huawei Mate 20/ Mate 20 Pro
これはなに?:どちらも、Huaweiの最新フラッグシップモデル価格:Mate 20が約1000ドル(約11万円)、Mate 20 Proが約1200ドル(約13万5000円)いいところ:美カラバリ。バッテリーの保ち。トリプルリアカメラ。機能ギッシリ残念なところ:高い。アメリカ国内では正式販売なし。Mate 20 Proはヘッドフォンジャックなし
もし、Mate 20とMate 20 Proがフィギュアスケートの大会に出たとしたら、技術点での満点評価は間違いないでしょう。スタイラスペンがついていないとはいえ、それ以外のすべて、ユーザーが望む全機能を搭載しているのがMate 20とMate 20 Pro。
3D顔認証、スクリーン内蔵の指紋認証、背面にカメラ3つ、逆ワイヤレス充電機能で他ガジェットを充電などなど、そもそも高スペックでさすがのフラッグシップモデルです。手の中の端末を見つめるだけで、ハイスペぶりが伝わってくるようです。加えてMate 20の特徴でもあるトワイライト・カラーの美しいこと。HuaweiのOS=AndroidスキンであるEMUIは、Android 9 Pieをもとに、メニューを省略できたり、内臓ダークモードのオプション表示を使いやすくできたりと、カスタマイズがあれこれできます。つまり、Mate 20は、中身にも外見にも細心の注意を払って非常にうまくデザインされた端末なんです。
しかし、Booking.comやeBayのアプリが、デフォルトでインストール済みという、(1000ドルクラスの端末のくせに)少々ダサイ面や、メイン機能であるはずの「Performance Mode」を設定メニューの検索で探せなかったりと、謎な仕様がちょいちょいあるのは残念。これは、今後アップデートしてほしいところ。
Mate 20とMate 20 Proを比較すると、Proの方がハイエンドの位置付け。ただ、スクリーン・サイズ自体は、Mate 20の方がちょっと大きいので間違わないように! Mate 20のスクリーンは6.53インチのLCDディスプレイ。Mate 20 Proは6.39インチですが、OLEDディスプレイでより高画質。とはいえ、どちらも美ディスプレイなことに変わりなし。2モデルの簡単な見分け方はノッチ。でかい方がMate 20 Proです。
そもそもMate 20 ProのProっぷりは、ディスプレイではなく、テクノロジーのぎっしりぶりによるものです。でかいノッチのおかげ(?)で、AppleのFace IDと同じく、3D赤外線ドットプロジェクタ搭載で行なう3D顔認証はぎっしりテクノロジのもっともたるもの。
Mate 20/ Mate 20 Proの両モデルともに、防塵防水IP68。スペックのキモとなるプロセッサはHuawei最新のKirin 980。さらに赤外線ブラスタ搭載なので、テレビのリモコンにも早変わり。バッテリー保ちも十分。Mate 20のバッテリー保ちは、15時間15分というテスト結果でGalaxy Note 9(14時間11分)に勝利。一方、Mate 20 Proは4200mAhバッテリーを積んでいるものの高画質ディスプレイの影響か、バッテリー保ちは14時間6分。あと、ヘッドフォンジャックはMate 20にしかついていません。てことで、ノッチの大きさでぱっと見分けつけつつ、細かいスペックが微妙に異なるので、購入予定者は両モデルのを隅々まで確認・比較した方がいいでしょう。
両モデルともに、一般的な使用状況だと、十二分なバッテリー容量があります。そこで、Huaweiが考えたのが逆充電。Mate 20/Mate 20 Proの電力をワイヤレスで、イヤホンなどの(Qi対応)ガジェットに送ることができます。バッテリー設定から、逆充電を選ぶだけでワイヤレス充電機にもなるという簡単かつ助かる機能。これ、今後、他社の端末にもでてきてほしい機能ですよね。
テクノロジーぎっしり端末として語りたい機能は山ほどあるものの、中でも目玉となるのは、やっぱりトリプル・カメラ。機能ぼぼ一緒&Mate 20は、Huaweiがこの春だしたP20 Proと画像クオリティがほぼ等しいことから、レビュー期間にメイン使いしたのはMate 20 Pro。両モデルともにトリプル・カメラではありますが、やっぱり特筆したいのはProの方。
Mate 20 Proの広角レンズは、景色とらせたらピカイチ。ここに前からあった40MPと新8MPの3倍ズームカメラで計3カメラ。画像クオリティでいうなら、Mate 20 ProはPixel 3の最大のライバルと言っていいでしょう。クオリティの上にHuaweiが乗せたのは、ソフトウェアによるあれこれ機能。写真モードがたっくさんあるのはもちろん、ライトペイントやタイムラプス、書類スキャンなどなど、カメラ関係の機能がとにかく多い! 水中撮影モード(専用の防水ケースが必要)まで準備されているんですから。そしてGoogleにもひけをとらないナイトモードは、市場最高の暗所撮影と言っても過言ではないでしょう。
ところで、Mate 20 Proの3倍ズームを使っているときに、ちょっと気になることが。スペック表見ると、ズームレンズは8MPセンサー。でも、カメラアプリで3倍ボタンONで撮影すると、画質は3648 x 2736。これ実質10MPなのでは…。ちなみに、広角レンズは5120 x 3840でスペック通りの20MPでしたけど。もしかしたら、40MPのメインカメラと8MPのズームカメラを、ソフトウェアでうまいことミックスしている可能性もあります。これ不思議ポイントで、Huawei担当者に質問中です。
トリプル・カメラな上に、AIが撮影をヘルプしてくれるんですから、Mate 20 Proで撮った写真が素晴らしいのには納得。Huaweiマシンラーニングアルゴリズムが、食べ物や花など被写体に合うように色味をうまいこと調整してくれます。ただ、Pixel 3とリンゴを撮影してみたところ、Pixel 3に比べて、Mate 20 Proの補正はかなり毒々しいものになりましたけど。まぁ、AI補正は撮影後にカットすることも、そもそも設定からAIをオフにしておくこともできるので、そこは個人の好みで。ただ、補正がうまくいった画像は本当に美しいので、完全オフにしてしまうのはもったいないと思います。
Mate 20/ Mate 20 Proともに素晴らしい。ここまでぎっしりテクノロジーなのに、大きなバグやエラーに遭遇しないというのも珍しい。てことで、それなりに値が張ります。Mate 20が1000ドル(約11万円)、Mate 20 Proが1200ドル(約12万5000円)。高い。
でも、価格以上に問題なのは、Huaweiのセキュリティと信頼性。FBIやCIAから、Huaweiはサイバーセキュリティの点での信頼が疑問視されています。ゆえに、両モデルが正式にアメリカでリリースされないわけで。(Amazonなどでアンロックモデルを買ってアメリカ国内で使うことは可能ですが)。
Apple(アップル)やSamsung(サムスン)の対抗馬として、代替機として、むしろより最先端技術をいくMate 20/ Mate 20 Proだけに、正式リリースがないのは残念。ガジェット好きがいくら歓迎したところで、国は歓迎してくれないとさ。
・Mate 20 Proは、カメラ機能含め、今年リリースのどの端末よりもテック機能が詰まっている・カラバリさいこー!・両モデルともバッテリー保ちがいい。(Mate 20は15時間15分、Mate 20 Proは14時間6分)・両モデルの特徴的な違い:Mate 20は6.53インチ(2244 x 1080)LCDスクリーンでヘッドフォンジャックあり。Mate 20 Proは6.39インチ(3120 x 1440)OLEDスクリーンで、スクリーン内臓指紋認証、3D顔認証、カメラ3倍ズームあり。