いずれiPhoneにもぜひ。
いやー、iOSももう11代目なんですね。App Storeができるとか、コピペができるとか言ってはしゃいでたのがまだ昨日のことみたいです。ともあれ本日のWWDCのキーノートで、AppleはiOSに関し、これまでリクエストされてたもの含めてさまざまなアップデートを発表しました。以下、まとめていきます。
iOS 11の最終版へのアップデートは今年秋まで待つ必要がありますが、デベロッパー版は今後数週間で利用可能になると思われます。もちろんβ版を使うには、ちょっと勇気が入りますけどね。
マップ
Appleのマップを使ってショッピングモールに行く人がどれくらいいるのかわかりませんが、とにかくiOS 11では、モールのどこにGAPがあってどこにCOACHがある、みたいなことを3D表示してくれるそうです。地下鉄情報のときと同じように、まず主要都市から始まってだんだんロールアウトしていきます。また世界の空港に関しても、メジャーなところから構内マップが見られるようになります。
カーナビ機能もアップデートされます。iOS 11で、制限速度の通知や車線ガイドも導入されます。またGoogle Mapsと同様、片手でズームができる機能も追加されるようですが、実際どういう操作なのかはまだわかっていません。
コントロールセンター・通知センター
iOS 10ではコントロールセンターが整理され、今までいろんな設定と音楽再生がふたつの画面に分かれていたのがひとつに統合されます。画面の明るさや音量のコントロールは、タテ型のスライダでできるようになります。
また今まで別ものだった通知センターとロック画面もひとつに統合され、従来は通知を見るために横に移動してたのが、上下スクロールで可能になります。
Siriのアップデート
iOS 11で、Siriは見た目のデザインが改善するとともに、声も男性・女性ともにより自然になります。さらにSiriは英語と中国語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語の間の翻訳もできるようになり、言語の選択肢は今後も広がっていく予定です。さらにSiriはユーザーの居場所やSiriに聞いたことの履歴を元に、ユーザーのニーズを先読みしようとする能力を身に着けています。
メッセージアプリと個人間のApple Pay送金
米国では日本におけるLINEみたいにデファクトとなっているiOSのメッセージアプリですが、この中でApple Payを使い、友だちにお金を送れるようになります。認証はTouch IDでOK、会話の相手に素早くランチ代なんかを送れます。
またiCloudを使うことで、iMessageはデバイス横断で完ぺきに同期されるようになります。さらにAppleは今回もアプリドロワーのデザインを変えてステッカー機能を推してますが、うーんこれはみんな使ってるんですかね〜。
Apple Music
AppleはついにSpotifyを標的にしたんでしょうか、iOS 11では、友だちがどんな曲を聞いてるのか見られるようになります。もちろん、毎晩寝る前にブルガリア民謡を聞いてることを秘密にしたい場合はその設定も可能です(秘密にすることないと思いますが)。さらに「Up Next(次はこちら)」プレイリストの共有もできるようになるので、パーティのときなんかに友だちが次の曲を見て、さらに好きな曲をミックスしてくるなんてことも可能になります。
AR(拡張現実)
こちらはiOS 11にアップデートしたらすぐ使えるってものじゃないんですが、デベロッパー向けにARKitなるものが発表されました。これはiPhoneやiPadのカメラとセンサ、ジャイロスコープといったハードウェアを総動員して、ポケモンGOライクなAR体験を実現するためのツールです。実際どんなことができるかは、ARKitを使ったデベロッパーがどんなものを作るかにかかってきます。
カメラと写真
iPhoneやiPadのカメラアプリでは、Live Photosの長時間露出エフェクトといった新たなフィルターが導入されます。滝フェチにはうれしいかもしれません。またLive Photosのトリミングが可能になり、短い動画のどのコマを静止画として使いたいかを選択できるようになります。
それからiPhone・iPadの限られたストレージを有効活用すべく、iOS 11では新たな圧縮スキームとして静止画には「HEIF」、動画には「HEVC」が導入されます。これらによって従来より効率よくデータを圧縮できて、よりたくさん思い出を保存できるというわけです。
Home KitとAirPlay 2
新たなHomeアプリでは、ワイヤレススピーカーがサポートされるのに加え、オーディオのコントロール用に複数の部屋での再生が可能なAirPlay 2が導入されます。ただこちらはApple TVはもちろんコントロールできますが、Sonosには少なくとも今は非対応です。
CarPlayの運転中モード
iOS 11では、車の中でのiPhone利用が少し安全になります。というか、iPhoneを利用させないことで、安全を担保します。iOS 11ではBluetoothとWi-Fiのドップラー効果を使い、iPhoneが走行中の車にあることを自動検知するんです。するとCarPlayがiPhoneを自動でロックして、画面には何も表示されなくなります。iMessageの自動リプライ機能も搭載され、運転中の人にメッセージを送った相手は、送り先の人がメッセージを無視してるんじゃなくて、車の運転中なんだってことがわかります。
iPadのドック、キーボード
iPadにおけるiOS 11には、iPhoneにはない追加の機能があります。たとえばドックにいくつものアプリを入れて、他のアプリを開きながら別のアプリにもいつでもアクセスできたり、といったことです。またドックの端には、ユーザーの動きから判断して次に必要になりそうなアプリが表示されます。
iPadのアプリスイッチャーはOS Xライクになって、スプリットビューにあるアプリの間でクリップボードの中身や画像、ファイルと言ったものをやりとりできるようになります。これiPhoneにもあってもいいような気がしますが、画面が小さいので、開いてるアプリが全部タイル表示されたらカオスになってしまうものと思われます。
今回iPadのUIに関してベストかもしれないのが、新しくなったQuickTypeです。これは、キーの上でジェスチャーするだけで、句読点とか記号とか数字とかも、キーボードを切り替えることなく入力可能になるってものです。ちょ、それすぐ!iPhoneにも!入れてください!と思わず叫びたくなってしまいました。
Apple Pencil
Apple Pencilは大きなiPad Proのお友だちで、アーティストやデザイナー、エンジニアに、紙でスケッチしているような感覚をもたらすとされるツールです。今回AppleはこのPencilをメールやSafari、スクリーンショットやメモといったスタンダードなアプリでも、ちょっとしたメモを書き込むのに使えるようにしました。
またメモアプリでは、機械学習を使って手書きのメモを読み取ってインデックス化し、検索や編集可能な文書としてのコピー&ペーストを可能にしています。またiPadのカメラを使って簡易なスキャナにもなり、キャプチャした文書を自動できれいに変換してくれます。
Filesアプリ
iPhoneが生まれて10年経つ今、ついにAppleはiOSにファイル管理アプリを作ってくれました。その名も「Files」、これは少なくともiPadで使えるようです。OS XのFinderみたいに万能なわけじゃなく、iPadのコアとなるファイル構造は引き続きユーザーからは見えないままです。それでもストレージが足りなくなったときには、要らないファイルを削除したりスペースを作ったりする作業をするのに良いツールとなりそうです。
FilesはさらにiCloudにあるファイルにもアクセスできるほか、DropboxやBox、Google Driveといったサードパーティのクラウドもここから利用可能です。なのでこれからは、「あれどこに入れたっけ…?」とアプリからアプリを開きまくる必要はなくなりそうです。
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Image: Apple
Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)