IoT成長戦略の中核を担うのがARM
孫正義氏:じゃあソフトバンクのこのIoTに対する成長戦略を、少し披露したいと思います。
先ほどから言っておりますように、私はソフトバンクグループの中核中の中核になる会社、これはARMだと思っております。
このARMについて、ちょっと聞いてみましょうね。この月曜日、我々が発表する前、ARMという会社のことを知ってた、という人手を挙げてください。
(会場挙手)
はい、流石であります。ね、さっきからシンギュラリティに関しても多くの人の手が挙がりましたが、この会場で聞けば4割くらいの人が手を挙げました。6割くらいの人、全然知らなかったという人はですね、ぜひこのシンギュラリティのキーカンパニーになるIoT、キーカンパニーになるARM、このARMについて少し私が解説しますので、一緒に見ていただきたいと思います。
知ってたという人、ARMという会社のことを知ってたという人も、もう少し深くなぜ私がこの会社に着目しているのかということについて解説をさせていただきたいと思います。
ARMという会社は、チップを製造しているわけでありません。設計をしている会社であります。このチップのプロセッサの研究開発をし、設計をしてそしてこれを世界中のさまざまなチップのメーカーに、ライセンスを提供すると。設計図を渡すわけです。
設計図を渡して、ライセンスを提供する。で、その世界中のさまざまなチップメーカー、日本でいえばルネサスさんですね、世界中でいえばテキサスインスツルメンツだとかクアルコムだとかAppleだとかサムスンだとかいろんな会社があります。Mediatekとかですね。
これらにARMのコアの設計図を提供しています。彼らはそれに周辺のですね、メモリだとかグラフィックスだとか、さまざまな周辺の機能を追加していきます。クアルコムさんはモデム、通信のものが得意なので、そこをより強化したものを入れますね。
ということで、さまざまなチップのメーカー、この上に書いてあるような会社に、ARMは設計図を提供するわけです。で、彼らはそれをチップの最終製品として、システム・オン・チップ、あとで写真をお見せしますけどね、我々が20年前、30年前にパソコンを開いたら、パソコンにマザーボードが出てきます。
マザーボードには、インテルさんのCPUがあって、そしてメモリチップだ、IOチップだというのがいっぱいそこに乗っかっておりました。まさにそのPCのマザーボードの状態が、いまやワンチップになっているわけでありますね。
このシステム・オン・チップという風に呼びますけれども、ここの上の会社ですね、NXP、Spreadtrum、Mediatekと。
Huawei、NVIDIAですね、彼らがシステム・オン・チップとして、チップの完成品を設計し、それを台湾のですねTSMCのような会社が製造し、そしてさまざまな最終製品としての自動車、携帯電話、スマホですね、家電、そういうようなものに提供していくというかたちになります。