「AQUOS sense5G」と「AQUOS sense4」が目指した新しい必要十分

「AQUOS sense5G」と「AQUOS sense4」が目指した新しい必要十分

「スマートフォン」に何を求めるか

 「新しい生活様式」というキーワードが掲げられてから、そろそろ一年が過ぎようとしている。生活にも仕事にも新しいスタイルや価値観が生まれつつあると言われるが、日々の生活に欠かせない「スマートフォン」に求められる要素にも少しずつ変化が見られる。

「AQUOS sense5G」と「AQUOS sense4」が目指した新しい必要十分

 2019年10月に施行された改正電気通信事業法により、端末購入補助が2万2000円に抑えられたため、スマートフォンの売れ筋が変わったというストーリーは、これまでも何度も触れてきた。その一方で、コロナ禍の影響を受けた約一年間のモバイル市場は、ユーザーが端末を選ぶときの目が徐々に厳しくなり、その端末が価格に見合う価値を持っているか、体験ができるかを慎重に検討するユーザーが増えたように見える。

 かつて、シャープは2019年秋のスマートフォンAQUOSの発表時、「“なんとなくハイエンドスマホ”の終焉」というキーワードを掲げ、明確なこだわりを持つユーザーがハイエンドスマートフォンを手にするのに対し、多くのユーザーは「間違いない、賢い選択をしたい」と考え、堅実な製品選びが進むだろうと指摘していた。この一年のモバイル市場の動向を振り返ってみると、その傾向は予想以上に強く見られるようになった印象だ。

 今回、取り上げるシャープ製端末「AQUOS sense5G」と「AQUOS sense4」は、まさにその流れを強力に牽引するモデルだ。2017年に初代モデルが登場したAQUOS senseシリーズは、毎シーズン、新機種をリリースし、それぞれのシーズンに合った“必要十分”のスペックを搭載しながら、リーズナブルな価格を実現してきた。ユーザーからの支持も幅広く、2019年に発売された「AQUOS sense3」は300万台を販売し、2020年8月の段階でシリーズ累計700万台を突破したという。

 今シーズンの「AQUOS sense4」も昨年11月の発売以来、好調な売れ行きを示しており、各社のまとめた販売ランキングではiPhone 12シリーズを抜き、トップセールスを記録したこともあった。続く「AQUOS sense5G」は今年2月から順次、発売され、こちらも5G対応端末として、着実に販売を伸ばしている。

シャープ「AQUOS sense5G」、約148mm(高さ)×71mm(幅)×8.9mm(厚さ)、約178g(重さ)、SIMフリーモデルはライトカッパー、ブラック、オリーブシルバーをラインアップ。NTTドコモ「AQUOS sense5G SH-53A」はライトカッパー、ニュアンスブラック、オリーブシルバー、ライラック、スカイブルー、イエローゴールド(写真)、コーラルレッドをラインアップシャープ「AQUOS sense4」、約148mm(高さ)×71mm(幅)×8.9mm(厚さ)、約177g(重さ)、SIMフリーモデルはライトカッパー(写真)、ブラック、シルバーをラインアップ。ドコモ「AQUOS sense4 SH-41A」はライトカッパー、ブラック、シルバー、ライトブルー、レッド、ブルー、イエロー(写真)をラインアップ