ファイル共有だけならルーターでもOK? 4ストリームMIMO対応ルーター4機種のNAS機能を比べる

ファイル共有だけならルーターでもOK? 4ストリームMIMO対応ルーター4機種のNAS機能を比べる

今年の春ごろだっただろうか。とあるNASの製品説明の場で、集まった各媒体の記者に「個人的にどんなNAS使ってるの?」と尋ねたところ、そもそも「使っている」と応えた人がほんの数えるほどだった。

まあ、ほとんど家にいないから、というのがその理由だったが、意外だったのはルーターのNAS機能で十分と考える人が意外に多かったことだ。

多機能化した最新のNASに触れていると、ルーターのNAS機能は、機能名としても語られている通り「簡易」なものが多く、個人的には物足りなく感じてしまうのだが、よくよく考えれば、本格的なNASであろうと、メインの用途は複数台のPC間でのファイル共有やDLNA対応テレビでのメディア再生程度。

ファイル共有だけならルーターでもOK? 4ストリームMIMO対応ルーター4機種のNAS機能を比べる

筆者のように自宅で仕事をしていれば、外部とのファイルのやり取りなどにも欠かせないが、実はそんなに多くの機能が必要とされているケースは少ない。

そう考えると、「簡易」と言ってもファイル共有やメディア共有ができるルーターのNAS機能でも十分と考えるのも妥当というわけだ。

とは言え、従来のルーターのNAS機能は、機能が少ないだけでなく、性能的にも物足りないものが多かった。ファイル共有のパフォーマンスはUSB 2.0のローカルHDD程度となると、大きなファイル、大量のファイルを扱うようなケースでは、少々物足りなく感じることも多かった。

しかし、無線LANの規格がIEEE 802.11acへと進化し、MIMOのストリーム数が増えたことで、ルーター自身に強力な処理能力が求められるようになり、この状況が変わり始めてきた。

現在では、1GHz以上、複数コアのCPUを搭載したルーターが当たり前となり、その余裕の性能を生かして、NAS機能のパフォーマンスも向上してきている。

実際、ルーターのNAS機能がどこまで使えるのか、4ストリーム対応のIEEE 802.11ac準拠無線LANルーター4製品で検証してみた。

NECプラットフォームズの「Aterm WG2600HP」、バッファローの「WXR-2533DHP」、ASUSの「RT-AC87U」、NETGEARの「R7500」を用意した