【広州=川上尚志】中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は、無線通信網「Wi-Fi(ワイファイ)」の特許のライセンス契約を広げる。このほど日本の無線通信機器大手バッファローと、最新規格「Wi-Fi6」のサービス提供に欠かせない標準必須特許(SEP)について使用を許可する契約を結ぶことで合意した。
Wi-Fi6は従来規格の「Wi-Fi5」に比べ通信速度が高まるほか、同時に多数の端末を接続しやすくなるなどの利点がある。バッファローはすでにWi-Fi6に対応するルーターなどの機器を発売済みだが、ライセンス契約の締結によって「(バッファローの)製品の競争力が一段と高まる」(ファーウェイ)という。両社はともに特許使用料の金額などの詳細は公表していない。
ファーウェイはこれまでWi-Fi6と従来のWi-Fiの両方を対象とするライセンス契約を多くの企業と結んでいるが、Wi-Fi6に焦点を当てた契約を結ぶのはバッファローが中国外で初めてという。ファーウェイは特許使用料を得てさらなる研究開発に生かす狙いだ。
知財分析などを手掛ける日本技術貿易(NGB)によると、ファーウェイはWi-Fi6のSEPで122件の特許群を保有する。SEP全体の2割近くを占め、米半導体大手クアルコム(123件)に次いで多い。
ファーウェイは「当社の許可を得ずに関連のWi-Fi6技術を利用するのは権利侵害行為であり、技術革新の妨げにもなる。より多くの企業が当社とライセンス契約を結ぶことを望んでいる」と説明する。
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